医療の現場が求める抗菌活性値2.0をクリア!
抗菌加工塗装
*実測試験では抗菌活性値4.6まで達成。
99.9%以上の抗菌効果と10万回耐摩耗試験をクリア!
日本国内特許に続き米国でも特許認定されました。
経済産業省が推進する「サポートインダストリー事業(戦略的基盤技術高度化支援事業)」の支援を受けて開発を進めている『サブμmの機能表面を形成し抗菌性能を最適化する塗装技術の開発』プロジェクトチームである有限会社久保井塗装工業所(当時、現・久保井塗装株式会社)、公立大学法人首都大学東京、株式会社明治機械製作所、タマティーエルオー株式会社は、多くの医療機関が求める抗菌基準「抗菌活性値2以上(無加工試験片の24時間培養後の生菌数の対数値の平均値に対し1%以下)」をクリアする高機能塗膜の開発に成功し、人工指を使った10万回の打鍵試験による耐摩耗テストもクリアしました。また、日本国内特許(特許番号6755598/2020年9月16日)に続き米国でも特許認定(特許番号12054641/2024年8月6日)されました。
平成27年度
経済産業省
サポイン事業
採択技術
一般的な抗菌とは違う、医療の基準。
一般製品に使われる「抗菌」の基準は、付着した雑菌が増えない、又は繁殖を抑制できるというレベルの抗菌性能であり、この基準を達成した抗菌塗装は既に存在しています。
しかし、「抗菌活性値2以上(無加工試験片の24時間培養後の生菌数の対数値の平均値に対し1%以下)」という、多くの医療機関が求める性能をクリアした塗膜(塗装により生成される膜)は、これまで製品化されていませんでした。
今回、本抗菌開発プロジェクトチームが、医療機関が求める「抗菌活性値2以上」の抗菌塗膜の試験開発に成功(試験結果は、要求基準を大きく上回る3.6)したことが、研究機関による試験結果(※)によって確認されました。
院内感染の発生を防ぐために、まずは電子カルテ用のパソコンや医療機器の操作に使う抗菌キーボードや抗菌マウス、タッチパネル用の抗菌フィルムとして製品化します。その後、手すりやパーテーションボードなどの院内設備品にも拡げていきます。
※2:試験方法はJIS(日本工業規格)Z2801:2012「抗菌加工製品―抗菌性試験方法・抗菌効果」で定められており、規格に準拠した試験を実施し、抗菌活性値が算出されています。
医師からの要望を実現した抗菌性能。
医療機関の皆さまに安心して使っていただけるよう、抗菌活性値2.0以上(※)を実現しました。
また、これまでの抗菌製品に対して懸念されてきた、抗菌成分の溶出による皮膚障害も起きないよう、成分を溶出することで抗菌性能を達成する方法ではない仕組みによって抗菌性能を実現しています。
塗装膜の中に均等に分散されたナノサイズの抗菌剤が、成分を溶出することなく効果を発揮し続けますので、安心してお使いいただけます。
※無加工試験片の24時間培養後の生菌数の対数値の平均値に対し1%以下という、JIS規格で定められた基準。
立体構造物に最適な塗装という技術。
医療用に使える抗菌材料は、実はすでに抗菌フィルムなどが商品化されています。しかし、医療機器や病院で使う備品は複雑な3次元形状のものが多く、フィルムでは形状にうまく追従できないという問題を抱えています。その点、液体を霧状にして塗布する霧化塗装技術は、被塗物の形状に合わせて成膜することができるため、たとえば、今や医療現場に不可欠となったパソコンのキーボードやマウスといった複雑形状にもピッタリ追従させることができます。塗膜内で抗菌剤を均等に分散させる塗装技術の開発により、塗膜が薄く摩耗しても抗菌性能を発揮できるようになりました。また、当社の抗菌塗膜は、人工指を使った10万回の打鍵試験による耐摩耗テストもクリアしました。
成分が溶出しないから安心。
弊社の医療機関向け抗菌塗装は、よくある抗菌製品と違って抗菌剤を溶出させるものではありませんので、皮膚のかぶれを心配せずに安心してお使いいただけます。だから、成分溶出させることで新品時の抗菌活性値だけ高いという製品とは設計思想から違います。また、抗菌塗装は既製品の後加工として施すことができ、抗菌キーボードや抗菌マウスのような抗菌剤素材色のクリアブルーのほか、タッチパネル用フィルムに施すほぼ透明のクリアコートまで調合できます。塗膜は文字の透視性が高いので、キーボードのような、表面に文字加工のある製品でも抗菌塗装ができます。自社製品に抗菌塗装をしたいというメーカーのご要望にも適用することができますので、下記のお問い合わせボタンからお気軽にご相談ください。
最後まで効果を発揮する均等分散技術。
抗菌剤は塗料より比重が重いので、通常の技術で塗装すると塗膜の中で沈降してしまい、抗菌剤が性能を発揮できません。逆に沈降防止剤などで浮かせると表層に偏積してしまって下層には抗菌剤が希薄になってしまい、使っているうちに表層部分が摩耗すれば抗菌効果がなくなってしまいます。
使用初期から塗膜が摩耗してしまう最後まで、同じように抗菌効果を発揮させるためには、抗菌剤を塗膜の表層から最深部まで均等分散させることが必要ですが、当社の開発した塗装技術はそれを実現しています。
公的研究機関の試験でも効果確認済み。
●JIS Z2801:2012試験結果
試験菌種:黄色ブドウ球菌(Staphylococcus aureus NBRC12732)
生菌数:4.9×105(個/ml)/接種量:0.4(ml)
なぜ抗菌塗装を開発するに至ったのか。
窪井要社長の母がガン治療手術の際に起きた感染により数年間苦しんだという苦い経験があり、先代から家業としてきた工業塗装の技術で院内感染を抑制したいという想いを抱いていたところ、医療関係者の方から抗菌塗膜の相談が舞い込みました。この社長の想いが、見せかけだけの抗菌性能では満足できない性能追求の動機となり、医師の皆さまからご要望を実現させる結果に結びつきました。
医療施設のさまざまなところに。
抗菌キーボードやマウス以外にも、抗菌塗装はシックハウス症候群の原因となる揮発性有機溶剤を使わない水系塗装にも対応できますので、ご相談ください。
VIDEO
製品を探す
抗菌活性値2.0を達成した、医療機関向け抗菌塗装済のパソコン周辺機器を製品として発売しました。
医療機関向け抗菌キーボード
医療機関向け抗菌マウス
医療機関向けタッチパネルシート
抗菌塗装や高機能塗装について、ご意見・ご要望をお聞かせください。