工業塗装事業者が塗装現場のノウハウを投入して工業塗装工場の製造プロセスを受注から出荷・在庫までトータル管理できるIoTサービス「KCW-CMS」には、スプレー塗装用と電着塗装用の2種類があり、どちらもIT補助金2024の対象として承認ITツールに認定されています。
●KCW-CMSの導入メリット 工業塗装工場専用管理システム「KCW-CMS」を導入することで、下記のメリットがあります。 1、日常業務において、塗料調合等のヒューマンエラーを防止できる。 2、塗料や素材の手配もれ防止や、在庫塗料を探すロス時間を削減できる。 3、塗装品質検査の結果をリアルタイム集計、推移分析ができ、不良対策がスピーディにできる。 4、季節変動対策やトラブル発生時の暫定対策などを、バリエーションとして登録しておけるので安心。 5、属人ノウハウの共有化(会社ノウハウ化)ができ、技術継承がスムーズになる。 6、高度技術者が在籍する本社や研究施設など、遠隔地の生産拠点とインターネットを通じて情報共有できるため、新規製品立ち上げ時の工程検討やトラブル対応がスピーディにできる。 7、ISO9001:2015品質マネジメントシステムに適合。
●KCW-CMSの主要機能
<塗料の管理(発注・在庫管理)>
塗料の製造日、検収(入荷)日、有効期限、製造ロットを缶ごとに固有のQRコードを割り当てた固有ラベルを貼ることで、保管場所や残量までを一元管理できます。
使用する製品と塗料在庫を紐づけすることができますので、生産計画を立てるときに残量をパソコンで確認することができ、手配漏れをなくし、手間のかかる在庫塗料を探す作業を削減ことができます。また、塗料ディーラーへの発注票も生成することができます。
<被塗物の管理>
社内製造または外部から入荷した被塗物(製品素材)を、梱包ごとにQRコードで管理または一括管理します。受注を入力するときに、被塗物の在庫状況が確認できます。
<塗料調合の管理>
主剤・硬化剤・シンナーなどの塗料調合の配合比を予め設定しておくことで、システムと連動した電子天秤を使って配合ミスのない塗料調合が可能になります。
万一、配合を間違えそうになったときも、操作画面に塗料間違いの警告を発するよう設計されていますので、ポカ除けになります。過去の調合履歴も簡単に参照できます。
また、技術者が蓄積した温度・湿度等の季節変動への対応ノウハウや、トラブル発生時の対策、品質工学的実験で得られたノウハウも、バリエーションとして登録しておくことができますので、季節対策や属人ノウハウの共有化ができるようになります。
<受注管理と生産計画の管理>
お客様からの受注情報を入力することで、在庫している塗料や素材(被塗物)の過不足が把握でき、ダッシュボードで簡単に作業の優先順位を把握することができます。
また、生産計画を担当者に割振ることで、業務指示をスムーズに行えるようになります。
<手順書の管理>
冶具づけやワイピングなどの塗装前準備、塗装作業のやり方や注意点、検査の基準を、写真付の作業標準書、工程品質管理表、検査基準書として作成することができ、それらはタブレット端末や塗料調合操作用のパソコンで作業者がすぐに参照できます。
<検査記録の管理>
品質検査担当者が、検査結果をタブレット端末のタッチパネルから入力していくことで、現場が品質状況を数値で把握し、すぐに対策指示を出せるよう、リアルタイムに不良率を集計・表示できる他、管理PCから推移でも把握できます。検査の項目は、発生しやすいキズ、スケ、ブツ、ゴミが標準項目で、その他の任意項目を設定することができ、複数の品質検査を設定できます。また、上長承認機能も拡張できます。
<出荷・在庫の管理>
完成品の出荷ラベル(現品票)を作成できます。また、品質検査で良品となった数量から出荷ラベル分を差し引いた数は集計され、受注時に完成品在庫数として表示されます。また、出荷場で出荷ラベルのQRコードを読み、計画に対する出荷もれを予防できます。
<ハンガー管理>※電着塗装専用機能
ハンガーに個別の耐熱QRコードシールを貼り、レーンに設置したQRコード読取カメラの前を通過した回数でハンガーの使用回数をカウントして、管理画面から設定した使用上限を超えるとき、超過したものをお知らせします。この機能により、ハンガーを剥離するタイミングが正確に把握できるようになります。また、ハンガーの種類と取り付ける製品の種類を紐づけて管理することができるため、取付間違いを防止できます。
<レーン管理>※電着塗装専用機能
工場内にある塗装レーンについて、設置されているQRコード読取カメラを登録しておくことで、レーンに流れているハンガーをシステムが認識しますので、カメラからレーンの姓取り出し口までの距離を設定しておくことで、取り出し口で「次に出てくる製品の種類」がわかるようになり、段取りがしやすくなります。また、ハンガースピードを変更しても、ハンガーの通過スピードから速度を割り出して表示できます。